歳時記では「つちふる」と言い、春の季語ともなっている黄砂。
近年、中国大陸の自然破壊や砂漠化などにより、観測される回数が増加傾向になっている。
その黄砂が明後日、11月の日本で観測される可能性がある。
目次
1 季節外れの黄砂
これは、気象庁の黄砂観測のページである。
明後日8日(日)15時の、大気中の黄砂の総量予測図である。
北海道から九州にかけての広い範囲で、黄砂が飛来してくることが予想されいる。
次の画像は、地表付近の黄砂の濃度を示している。
日本のほぼ全域が、黄色やオレンジ色に覆われているのが分かる。
2 黄砂の発生メカニズムと時期
黄砂は、中国のゴビ砂漠やタクラマカン砂漠などに広がっている黄土地帯の細かな砂粒が、風によって空高くに舞い上がり、大気中に広がり空一面を覆う現象である。
この舞い上がった砂粒が上空の風に乗り、日本にも運ばれてくることがある。
黄砂の観測は、各地の気象台が実施している地上気象観測で大気じん象の一種として目視により観測、記録がされている。
黄砂現象は次のように定義されている。
「主として大陸の黄土地帯で吹き上げられた多量の砂じんが空中に飛揚し、天空一面を覆い、徐々に降下する現象。はなはだしいときは天空が黄かっ色となり、太陽が著しく光輝を失い、雪面は色づき、地物の面には砂じんが積もったりすることもある。」
日本の黄砂観測ののべ日数の平均値は次の通り(1981年~2010年平均、11地点での統計)。
1月:0.7日 2月:3.3日 3月:15.3日 4月:21.3日 5月:6.9日 6月:0.2日 7月:0.0日 8月:0.0日 9月:0.0日 10月:0.1日 11月:1.9日 12月:0.8日
春は観測日数が多く、11月はほとんど観測されない。
いかに明後日の黄砂予想が珍しい事かが分かる。
3 まとめ
黄砂が発生すると視界が悪くなるだけでは無く、呼吸器系など身体に影響が出たり、洗濯物や車などに付着したりする。
日曜日は季節外れの黄砂に注意が必要。